ここでは、家族関係や病気(難病)によるノイローゼの原因・症状と対処法を、実際にノイローゼに苦しみ克服した方々の体験談から学びます。
Contents
- 1 義母の突撃訪問と育児の疲れからノイローゼに。相手の気持ちばかりを優先せずに辛い時には自分の意見を押し通すことが大切です。
- 2 仕事にも家族にも人生に絶望してノイローゼになった20代、でも救ったのは誰でもない自分自身だった話
- 3 ノイローゼになったのは恋愛、仕事、家族の事件の連続だったから。壮絶な体験を振り替えって伝えたいこと。
- 4 ノイローゼの原因は元々不仲だった母が要介護状態になったから。それでも精神科のカウンセリングと投薬で回復できた話
- 5 父の死でノイローゼ状態に。無気力になった私が徐々に復活していくまでの過程をお話しします
- 6 自分はいつか失明する?!重病に不安でたまらなくなる「心気ノイローゼ」、回復にはまず医師の検査と、気をそらすこと
義母の突撃訪問と育児の疲れからノイローゼに。相手の気持ちばかりを優先せずに辛い時には自分の意見を押し通すことが大切です。
ノイローゼになった原因
第一子出産後、夫の仕事が忙しく平日は協力が得られないので週末に一週間分の買い物をしたり、話し相手になってもらっていました。
しかし、何の連絡もなく義母が訪問してくるようになり、「庭の草がむしってない、掃除が行き届いていない」などと文句を付けるも手伝ってくれず、家に居座るので買い物にもいけない週末が続き、それを夫も注意してくれなかったので私がノイローゼになってしまいました。
ノイローゼの症状
週末になると、義母がいつ現れるかと考えてしまい早朝に目が覚めてしまい、熟睡出来なくなってしまいました。
また、家事に文句を付けられたくないため、子供の寝ている時間を見計らって、毎日必死になって家の内外の掃除をするようになり、少しの汚れでも気になってしまい潔癖症気味な性格になってしまいました。
義母が帰った後には、言われた嫌なことが頭から離れずに動機や息切れ、めまいに苦しみました。
生活や仕事への影響
一つ不安なことがあるとバーっと一気に不安指数が上がりパニックを起こしてしまうという状態でした。
いつパニックの状態になるか分からないと思うと怖くて子供を連れて一人で外出することができませんでした。
そのため、平日は家に子供と一緒に引きこもって歩いて行ける範囲の公園に出かけて同年代のお母さんたちと話をするようにしました。
誰かがいると思うと安心したので、私は周りのお母さんたちにとても助けられました。
また、義母には夫から当分来ないように言ってもらいました。
ノイローゼを克服したきっかけ・対処法
めまいと動機が特にひどかったので、最初は内科を受信してその後耳鼻科も受診しました。
最終的には総合病院で全ての考えられる検査を行い、異常がなかったので心療内科を受診しました。
私は、抗不安薬のリーゼを朝夜服用することで精神的にだいぶ落ち着くようになりました。
車の運転さえ怖い時期がありましたが、三年間通院して現在では近所なら車で移動できるまでに回復しました。
周囲の人のかかわり
自分の体調を悪くしている原因が必ずあります。
大切なことは、それを自分で見つけ出してそれから距離を置くことです。
あとは、自分と相性が良く、自分の話をしっかりと聞いてくれる信頼出来る専門の先生に看てもらうことが大切です。
今、ノイローゼ状態で悩んでいる方へ
その人の話を聞いてあげることです。
ノイローゼ状態の人は、必ず心に何らかのわだかまりを抱えているものです。
相手には、決して自分の意見を押し付けるのではなく、優しく話を聞いてあげてください。
それで相手は救われます。
ノイローゼの状態は本当に辛く、なかなか周りに理解してもらえないことも多いでしょう。
しかし、克服するには周りの協力が不可欠です。
特に配偶者には自分の状態をちゃんと理解し、協力してもらいましょう。
あなたは決して一人ではありません。
自分の殻に閉じこもらずに、周りに助けの手を求めてみてはいかがでしょうか。
仕事にも家族にも人生に絶望してノイローゼになった20代、でも救ったのは誰でもない自分自身だった話
ノイローゼになった原因
あれはまだ私が20代の頃です。わずか10万円のお金がほしくて、あるビジネスホテルのパート事務に就職したのです。ほんとうは親に相談して専門学校に行くべきでした。でもインナーチルドレンの満たされていない私は、実家から出ることができませんでした。あまえた私の感情は、すぐにほかのパートさんたちに目をつけられ、嫌われることとなりました。苦しくて親に相談しても、「嫌がらせのように、通勤してやれ!」と信じられない一言でした。私の脳はダメージを追いました。
ノイローゼの症状
うつの状態でした。攻撃的な人間の声に、脳がどーんとゆがんで、倒れこむようになりました。神経症のように人の目が気になりました。
生活や仕事への影響
ひどかったです。重症の状態だったかもしれません。
友達に話したらわかってくれて、相談を受けました。私は今まで読んだことの無かった精神分析の本を読み漁りました。そんな私を母親は馬鹿にするだけでした。こんな家、早く出ればよかったです。早く出るために就職活動をして、遠くの町へ寮つきのところへ引っ越しました。
ノイローゼを克服したきっかけ・対処法
一番ひどくて辛かったとき、それでも自分で探して、県の精神保健センターへ電話を入れました。病院だとお金がかかると思ったからです。センターはすぐに、心療内科を紹介してくれました。
周囲の人のかかわり
まず、本を読みました。マドモアゼル・愛先生の本が一番のおすすめです。先生も神経症になったことがあり、苦しんだ経験を持っていました。自分と本当に向き合うことって大事だなと思いました。
今、ノイローゼ状態で悩んでいる方へ
家族としては心療内科でカウンセリングを受けさせたほうがいいでしょう。本人は自爆気味になっています。おちついて話をきいたり、音楽を聞かせたりするのがいいでしょう。
自分は自分のあるがままでいいんだ。という芯の心が大事だと思います。それとカウンセリングはとても重要だと思います。
ノイローゼになったのは恋愛、仕事、家族の事件の連続だったから。壮絶な体験を振り替えって伝えたいこと。
田部ゆかこさん(20代・女性)
ノイローゼになった原因
恋と仕事が上手く行かず悩んでいるときに家族が事件を起こし大変なことになりました。
近所の目や職場の人たちからの目がとても気になりました。
ノイローゼの症状
自分がおかしいことに気づいたのは、仕事でたくさんのミスをしてからです。
それまで、目立ったミスをしなかったのに大きなミスを連続でして始末書を書きました。
そして、休日は誰とも顔を会わせたくなくてお風呂にも入ることが億劫でたまりませんでした。
喜怒哀楽も激しくなり、恋人や家族の前で、ヒステリックに泣き叫ぶ日々が2ヶ月ほど続きました。
生活や仕事への影響
毎日、仕事から帰ってくると小さいことが泣きわめいては家族に押さえられました。
自分の感情を抑えることが出来ず、会社でも皆の前で泣いてしまうことがありました。
私の変わりように驚いた上司から休職をすすめられ3ヶ月間の休みをもらいました。
毎日、無気力なのにいきなり怒りや悲しさに襲われて自分でも感情のコントロールが出来なくなっていました。
結局、仕事を辞めて、それからは毎日ただ引きこもりながら自傷行為をしていました。
ノイローゼを克服したきっかけ・対処法
私の姿を見た母が、このままでは私が自ら命を絶つのではないかと心配し、強制的に精神科へ連れていかれました。
うつ病と診断され、落ち着くまで自宅療養をするように医師から言われ、自傷行為が治まらなければ入院も視野に入れた方が良いと家族に医師は伝えたそうです。
ワイパックスなどのベンゾジアゼピン系の薬を出され飲んでいました。
精神科に備え付けてあるカウンセリングを2週間に1回受けることにもなりました。
1度のカウンセリングと診察で4000円前後でした。
周囲の人のかかわり
気がすむまでひたすら引きこもり自傷行為をしていたのですが、あるとき突然、このままではいけないと気づきました。
自傷行為をやめて、部屋から出て家事の手伝いや母の知人のお店でリハビリを兼ねて週に2度アルバイトをしました。
今、振り替えって思うことは、周りが焦らせてきても自分が気がすむまでゆっくり休むことです。
人間、なにもやらない日が続くと、動きたくなるときが来ます。
そのときに出来そうなことから手を付けてください。
周りの声は、悪影響にしかなりませんでした。
今、ノイローゼ状態で悩んでいる方へ
変わりようにビックリすると思うし、イライラするときがあるかもしれません。
そこはグッとこらえて見守ってあげてください。
辛い日は永遠に続くことはないし、日々、少しずつ回復していると考えてください。
焦っても空回りするだけです。
ノイローゼの原因は元々不仲だった母が要介護状態になったから。それでも精神科のカウンセリングと投薬で回復できた話
多田愛子さん(女性・50代)
ノイローゼになった原因
元々あまりいい関係とは言えなかった母親が、要介護になったのが一つの原因でした。他にも仕事の忙しさでの過労なども、手伝っていたのは間違いありません。
ノイローゼの症状
何よりも不眠がひどく、身体も心も休まる暇がありませんでした。気がついたら抜け毛も始まっていて、半分くらいが抜けてしまって禿になってしまったのです。
生活や仕事への影響
不眠については慢性的で、特に寝付くことが出来ずにいました。
まず母親を外介護にすることから始めました。自宅での介護は物理的にも精神的にも無理でしたので、一時的に預かってくれる施設でもいいからと、別に暮らすことから始めたのです。仕事に関しては減らすことも出来ませんでしたので、どうにもならないままでした。
ノイローゼを克服したきっかけ・対処法
近くに精神科のクリニックがあったので、とにかく眠れるようにして欲しい一心で飛び込みました。幸いカウンセリングを良くしてくれる先生だったので、心も軽くなりましたし、精神安定剤の処方のおかげで眠れるようになりました。
周囲の人のかかわり
精神科に行く事を怯えないようにしましょう。精神科は心のケアをしてくれるための、場所です。カウンセリングをしっかりしてくれるクリニックがおすすめですし、時間をかけて原因を探ってくれる先生を見つけましょう。私の行ったクリニックの先生は、いくらでも話を聞いてくれましたし、薬も効かない身体に合わないと言えば、すぐに変更してくれました。これは私見ですが、病院の精神科より普通の町のクリニックの方が丁寧に話を聞いてくれますので、そちらがおすすめです。
今、ノイローゼ状態で悩んでいる方へ
普通に接して上げてください。ノイローゼ中は変に敏感になっているので、腫れ物に触るようにされると逆に気になりますので。
無理しないことです。出来ることだけやったほうがいいです、原因が解っているなら、その原因から距離をとりましょう。
父の死でノイローゼ状態に。無気力になった私が徐々に復活していくまでの過程をお話しします
市川まるさん(女性・30代)
ノイローゼになった原因
父ががんで闘病していました。亡くなる前の最期の1カ月は、本人の強い希望で、自宅で介護をしながら、仕事を続けていました。
ノイローゼの症状
会社の慶弔休暇である1週間が過ぎても、何もする気が起きず、突然、涙が出てきたり、まったく眠れなかったりして、ポーッとしていました。
生活や仕事への影響
慢性的な感じでしたが、時々、パニックのような症状もありました。
生活は、ほとんど引きこもりのような状態で、朝起きて夜眠るという、普通の人が送る生活はできませんでした。仕事も、休職せざるを得ず、焦りはありましたが、身体がいうことをきかないので、どうしようもありませんでした。人間関係も、ごく親しい人とは連絡を取っていましたが、自分から積極的に連絡を取ることはありませんでした。
ノイローゼを克服したきっかけ・対処法
心療内科を受診しました。入院はしませんでしたが、睡眠導入剤と精神安定剤を処方されました。2年間、通院しました。
周囲の人のかかわり
気持ちや身体が悲鳴をあげていても、それまで、ずっと頑張ってきた人は、特に、できない自分を受け入れられず、焦る気持ちから、更に無理を重ねてしまいがちですが、長い人生だから少し休憩しても良いんだと、自分に優しくしても良いと思います。
今、ノイローゼ状態で悩んでいる方へ
あまり特別扱いをせずに、いつも見守っていることを伝えて、必要な時に頼ってほしい、と伝えるのが良いと思います。
今は、きつくて将来のことなど考えられないかもしれませんが、生きているだけで幸せだと思うので、気力や体力が戻るまで、ただ生きる、ということだけを考えてください。
自分はいつか失明する?!重病に不安でたまらなくなる「心気ノイローゼ」、回復にはまず医師の検査と、気をそらすこと
ノイローゼになった原因
生まれつきの軸性近視で視力が悪かったが、眼鏡をかけて矯正できるので問題はないと思っていました。
ところがネット上での情報で、軸性近視の強い人は、網膜剥離を起こす確率や、将来黄斑変性症などにかかる確率が高いこと、最悪は失明することを知り、失明したらどうしようとノイローゼになってしまいました。
私の場合は、当時大学3年生であり、就職活動や卒論、単位などのストレスが下敷きにあったのも原因の一つではないかとも考えられます。
ノイローゼの症状
自分の視界に異常が生じている気がして、白い壁を見て片目をつぶり、目を動かしてみて一日中チェックしてしまうという症状が現れました。
食欲も落ち、体重も数キロ減りました。不安がおさまらなくて眠れない日や、逆に不安から逃げるために一日中寝てしまう日がありました。
生活や仕事への影響
最初は、たびたび思い出して不安になる程度でしたが、だんだん悪化して一日中そのことばかり考えているようになりました。
大学にはかろうじて通えていましたが、学業には身が入らず、何をしていても視力のことばかり考えて上の空でした。
就職活動をするにも、もし面接などで遠方に出かける途中で視力を損なったら、とか、どうせ就職できたとしてもいつか失明してしまう、と考え、非常に苦痛を感じました。
ノイローゼを克服したきっかけ・対処法
地域の心療内科にかかり、「抑肝散加陳皮半夏」という薬をもらっていました。最初は週一度、そのうち二週間に一度の通院になりました。だんだんと不安が落ち着いてきたので、薬を飲まずに様子を見ましょう、また何かあったら来てくださいとのことで、半年ほどで通院終了となりました。
周囲の人のかかわり
友人には、みんな就職活動や卒論・卒業研究で大変な時期に、そんなことで悩んでいるなんて……と思い、言い出せませんでした。当時の恋人にだけは話していましたが、理解しようとする姿勢は見せてくれたものの、どうしていいかわからず、その話には一切触れずやり過ごしたり、時にはイライラした様子が見えることもありました。
ノイローゼの当人は、周囲を困らせようとか心配をかけてやろうと思ってその状態になっているわけではないので、周囲はイライラした感情はできるだけ見せない方が本人は楽になります。ただ、不安の対象から気をそらさせることも大事なので、あまり周囲の方からノイローゼのことや不安対象に関することなどを口に出さないことも大切な可能性があります。
今、ノイローゼ状態で悩んでいる方へ
ノイローゼからの回復には、もちろん医者や薬の助けも大きいですが、自分でできることとしては不安から意識をそらす時間を長くするのが重要です。
趣味に集中できる精神状態でないときは、布団の中で携帯で猫動画を次々に再生したり、雑学テキストサイトをひたすら読んで、少しでも気をそらそうとしていました。
何度気をそらしても気になってしまうのがノイローゼですが、それでも諦めずにまた気をそらそうとしていくと、本来の、楽しいことを楽しいと感じる精神状態が、一瞬だけ戻ってくることがあります。その一瞬を大事にして、少しずつでも積み重ねていくのが重要です。
「家にこもってネットばかりしていていいのだろうか」と落ち込んでしまうこともありますが、出来る範囲で気分をそらし続けることに努めましょう。やがて自分でも気づかないうちに少しずつ、あれだけ心から離れなかった不安をぽっかりと忘れている時間が増え、回復に至る道筋となります。
私のような、身体症状が気になり、自分が大きな病気にかかっているのではないかと思いこむ「心気ノイローゼ」は、まずは身体の異常が本当にないこと、あるいは適切な対処をすれば大事には至らないないことを確認することが重要です。
ただし、ノイローゼに陥っているときは、何度検査をしても「見落とされているのではないか」「昨日は大丈夫だったけれど今日は発症するのではないか」などと思ってしまい、気持ちが休まらないことがあります。
そのために、検査を受けたときに、「この症状・病気がとても心配で困っている」と伝え、「どのような症状が出たら受診した方がいいのか」などを質問すると良いでしょう。医学的な観点から、その不安がどの程度起こりうるものなのかを客観的に教えてくれます。
身体に異常がないことが確認できたら、とにかく気をそらし続けるのが大切です。必ず、ぽっかりと不安を忘れる時間はやってきます。